「ワインを始めてみたいけれど、赤と白のどちらが飲みやすいのだろう?」
こんな疑問を抱える方は多いでしょう。ワイン売り場に足を運んでも、数え切れないほどの種類に圧倒されてしまうものです。
実際のところ、飲みやすさは個人の味覚や好みによって大きく左右されます。しかし、初心者の方が失敗を避けながらワインを楽しむためには、いくつかの基本的なポイントを知っておくことが重要です。
本記事では、赤ワインと白ワインの特徴を比較しながら、初心者の方でも安心して選べるワインの見極め方をご紹介します。
価格帯別のおすすめ銘柄や、料理との組み合わせ方まで、ワインライフを始める上で知っておきたい情報をまとめました。
初心者が知っておきたい赤ワインと白ワインの基本的な違い

赤ワインと白ワインの違いは、見た目の色だけではありません。製造方法から生まれる味わいの違いを理解することで、自分の好みに合ったワインを見つけやすくなります。
製造方法から生まれる味わいの違いとは?
赤ワインは黒ブドウの皮と一緒に発酵させることで、あの深い赤色と独特の渋みを生み出します。皮に含まれるタンニンという成分が、口の中でキュッと締まるような感覚をもたらすのです。
一方、白ワインは皮を取り除いてから発酵させるため、すっきりとした味わいに仕上がります。黒ブドウから作られる白ワインもありますが、皮を使わないことで透明感のある色合いになるのです。
この製造方法の違いが、それぞれのワインの個性を決定づけています。赤ワインの力強さと白ワインの軽やかさは、まさにこの工程の違いから生まれているのです。
見た目以外にも違いがある!香りと口当たりの特徴
赤ワインの香りは複雑で奥深く、ベリー系の果実香やスパイシーな香辛料の香りが特徴的です。口に含むとふくよかで重厚感があり、じっくりと味わいを楽しめます。
白ワインは柑橘系やリンゴのようなフレッシュな香りが主体となります。口当たりは軽やかで、喉越しがすっきりしているため、食事の最初から最後まで飲み続けやすいのが魅力です。
温度による香りの変化も大きな違いの一つです。赤ワインは室温に近い温度で香りが開き、白ワインは冷やすことで爽やかさが際立ちます。
アルコール度数や保存期間の違いも要チェック
一般的に赤ワインの方がアルコール度数が高めで、12.5~15度程度が標準的です。白ワインは11~13度程度と、やや控えめな数値になっています。
保存に関しても違いがあります。赤ワインは適切な環境下であれば長期熟成が可能で、時間と共に味わいが変化していくものも多く存在します。
白ワインは比較的早めに飲み切るタイプが多く、フレッシュさを楽しむことが重視されます。ただし、高級な白ワインの中には長期熟成に向くものもあるため、一概には言えません。
飲みやすさで選ぶなら?赤と白それぞれの特徴を比較

初心者の方にとって「飲みやすさ」は最も気になるポイントでしょう。赤ワインと白ワインそれぞれの特徴を知ることで、自分に合った選択ができるようになります。
赤ワインの魅力と初心者が感じやすい「飲みにくさ」
赤ワインの最大の魅力は、その豊かな味わいの深さにあります。果実の凝縮感と複雑な香りは、一度慣れると病みつきになる美味しさです。
しかし、初心者の方が「飲みにくい」と感じる要因もいくつかあります。タンニンによる渋みが強すぎると感じたり、重厚な味わいに圧倒されたりすることがあるのです。
特にフルボディタイプの赤ワインは、ワインに慣れていない方には負担が大きく感じられることもあります。口の中に残る渋みや、濃厚すぎる味わいが苦手意識を生んでしまうのです。
白ワインが初心者に人気な理由と注意点
白ワインが初心者に人気な理由は、そのアプローチしやすさにあります。酸味が爽やかで、渋みがほとんどないため、ワインに慣れていない方でもすんなりと受け入れられます。
冷やして飲むことで更に飲みやすくなり、食事中にも気軽に楽しめるのも魅力の一つです。アルコール度数が比較的低めなのも、初心者には嬉しいポイントでしょう。
ただし、注意点もあります。酸味が強すぎるタイプは胃に負担をかける場合があり、甘口ワインは糖分が多いため飲みすぎに注意が必要です。
どちらも試してみたい方におすすめの判断基準
まずは自分の普段の飲み物の好みを振り返ってみましょう。コーヒーやお茶など、渋みのある飲み物を好む方は赤ワインに向いている可能性があります。
フルーツジュースや爽やかな飲み物を好む方は、白ワインから始めるのがおすすめです。食事の好みも参考になります。肉料理を好む方は赤ワイン、魚介料理や野菜料理を好む方は白ワインと相性が良いでしょう。
最終的には両方試してみることが一番の判断材料になります。少量ずつでも構わないので、実際に飲み比べてみることで自分の好みが見えてくるはずです。
初心者でも失敗しないワインの選び方5つのポイント

ワイン選びで失敗しないためには、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。専門知識がなくても、これらのポイントを知っているだけで格段に選びやすくなります。
1. 甘口から始める!糖度表示の見方と選び方
初心者の方には甘口ワインから始めることをおすすめします。甘みがあることで、アルコールの刺激や酸味がマイルドになり、飲みやすさが格段に向上します。
ワインの甘さは「辛口」「中辛口」「中甘口」「甘口」で表示されています。初めての方は「中甘口」から「甘口」を選ぶと失敗が少ないでしょう。
日本酒の甘辛度数表示に慣れている方は、その感覚を参考にできます。ただし、ワインの甘さは果実由来の自然な甘みなので、砂糖のような人工的な甘さではない点を理解しておきましょう。
2. 渋みが苦手なら軽やかなライトボディを選ぼう
赤ワインにチャレンジしたい方で渋みが苦手な場合は、ライトボディタイプを選びましょう。ボディの重さは「ライト」「ミディアム」「フル」の3段階で表示されています。
ライトボディは渋みが控えめで、果実味が前面に出やすいのが特徴です。色も比較的薄めで、白ワインに近い感覚で飲めるものもあります。
ピノ・ノワールやガメイといったブドウ品種は、自然と軽やかな仕上がりになりやすく、初心者の方にもおすすめです。徐々に重いタイプに移行していけば、赤ワインの奥深さを楽しめるようになります。
🚩ワイン ボディとは
3. 予算別におすすめ価格帯を知っておく
初心者の方におすすめの価格帯は1,000~3,000円程度です。この価格帯であれば、品質の安定した飲みやすいワインが数多く揃っています。
1,000円以下のワインも悪くはありませんが、当たり外れが大きくなりがちです。初めてのワイン選びで失敗したくない場合は、少し予算を上げることをおすすめします。
5,000円以上の高級ワインは、ある程度ワインに慣れてから挑戦する方が良いでしょう。複雑な味わいを理解するには、まず基本的な味覚を身につけることが大切です。
🚩予算別ワイン
4. 料理に合わせて選ぶと失敗が少ない
ワインは料理と合わせることで、その真価を発揮します。基本的には「赤ワインには肉料理、白ワインには魚料理」という原則を覚えておくと便利です。
しかし、この原則にとらわれすぎる必要はありません。軽めの肉料理には白ワインも合いますし、濃厚なクリームソースの魚料理には軽い赤ワインが合うこともあります。
大切なのは料理の重さとワインの重さのバランスです。あっさりした料理には軽やかなワインを、こってりした料理には重厚なワインを合わせると、互いの良さが引き立ちます。
🚩ワイン 料理
5. 購入場所で変わる?コンビニとワインショップの使い分け
購入場所によってワインの選び方も変わってきます。コンビニやスーパーでは、手軽な価格で飲みやすいワインが中心に置かれています。
セブン-イレブンの「セブンプレミアム」シリーズや、イオンの「トップバリュ」シリーズなど、プライベートブランドのワインは品質の割に価格が抑えられておりおすすめです。
ワインショップでは専門知識を持ったスタッフに相談できるのが最大のメリットです。予算や好み、合わせる料理を伝えれば、的確なアドバイスを受けられます。
初心者におすすめ!飲みやすい赤ワイン3選
赤ワインに挑戦したい初心者の方向けに、特に飲みやすいとされる3つのタイプをご紹介します。どれも親しみやすく、赤ワインの入り口として最適です。
フルーティーで親しみやすいボジョレー・ヌーヴォー

ボジョレー・ヌーヴォーは、フランスのボジョレー地方で作られる新酒ワインです。毎年11月の第3木曜日に解禁されることで有名ですが、その親しみやすさは一年を通じて楽しめます。
ガメイというブドウ品種を使用しており、渋みが少なくフルーティーな味わいが特徴です。軽やかな口当たりで、ワイン初心者でも抵抗なく飲めるでしょう。
冷やして飲んでも美味しく、白ワインのような感覚で楽しめます。価格も手頃なものが多く、気軽に試せるのも嬉しいポイントです。
まろやかな口当たりのメルロー主体ワイン

メルローは世界中で栽培されている人気のブドウ品種で、まろやかで優しい口当たりが魅力です。タンニンが控えめで、果実味豊かな味わいが初心者の方にも好まれています。
特にチリやオーストラリア産のメルローは、コストパフォーマンスに優れたものが多く揃っています。2,000円前後の価格帯でも、満足度の高いワインが見つかるでしょう。
プラムやチェリーのような果実の香りと、なめらかな舌触りが楽しめます。軽めの肉料理や、チーズとの相性も抜群です。
日本人好みの味わい!国産赤ワインの魅力

近年、日本のワイン造りは目覚ましい発展を遂げており、国際的にも高い評価を受けています。特に甲州や山梨県産のワインは、日本人の味覚に合わせて作られているため、初心者にもおすすめです。
サントリーの「登美の丘ワイナリー」やメルシャンの「シャトー・メルシャン」シリーズなど、大手メーカーが手がける国産ワインは品質が安定しており安心です。
日本料理との相性を考慮して作られているため、普段の食事に合わせやすいのも魅力の一つです。価格はやや高めですが、その分満足度も高いワインが期待できます。
初心者におすすめ!飲みやすい白ワイン3選
白ワインは初心者の方にとって入りやすいカテゴリーです。その中でも特に飲みやすく、ワインの魅力を感じられる3つのタイプをピックアップしました。
爽やかで飲みやすいソーヴィニヨン・ブラン

ソーヴィニヨン・ブランは、ハーブや柑橘類のような爽やかな香りが特徴的なブドウ品種です。酸味が心地よく、すっきりとした後味で飲み飽きしません。
ニュージーランドのマールボロ地方産が特に有名で、グレープフルーツやライムのような鮮烈な香りが楽しめます。暑い季節にキリッと冷やして飲むと格別の美味しさです。
シーフードや野菜料理との相性が良く、食事の最初から最後まで楽しめる万能タイプです。価格も手頃なものが多く、デイリーワインとしても重宝します。
ほんのり甘口で親しみやすいリースリング

リースリングはドイツを代表するブドウ品種で、上品な甘みと豊かな香りが魅力です。蜂蜜のような甘さと、キレのある酸味が絶妙なバランスを保っています。
特に初心者の方には、ほんのり甘口のタイプがおすすめです。アルコール度数も比較的低めで、ワインに慣れていない方でも飲みやすく感じられるでしょう。
スパイシーな料理や、辛味のある中華料理とも意外なほど良く合います。複雑な味付けの料理に対しても、その甘みが調和を生み出してくれます。
クリーミーな口当たりのシャルドネ

シャルドネは世界で最も人気の高い白ワイン用ブドウ品種の一つです。産地や造り方によって多様な表情を見せるため、自分好みの味わいを見つける楽しみがあります。
特に樽熟成されたシャルドネは、バニラやバターのようなクリーミーな香りと口当たりが特徴的です。重厚感がありながらも親しみやすく、白ワインの奥深さを感じられます。
カリフォルニアやオーストラリア産のシャルドネは、果実味豊かで初心者にも理解しやすい味わいです。クリーム系のパスタや、鶏肉料理との相性は抜群です。
ワイン初心者が覚えておきたい楽しみ方のコツ

ワインは飲み方一つで味わいが大きく変わります。初心者の方でも簡単に実践できるコツを覚えて、より美味しくワインを楽しみましょう。
適切な温度で飲むと味わいが格段に変わる
ワインの温度管理は、美味しく飲むための重要な要素です。赤ワインは16~18度、白ワインは8~12度が適温とされています。
赤ワインを冷やしすぎると香りが立たず、本来の味わいが楽しめません。反対に白ワインが温すぎると、酸味が際立ちすぎてしまいます。
家庭では、赤ワインは室温より少し涼しい程度、白ワインは冷蔵庫で2~3時間冷やした状態が目安です。温度計がなくても、触った感覚で十分判断できます。
グラス選びで香りと味わいをもっと楽しく
ワイングラスの形状は、香りの集まり方や口への流れ込み方を決める重要な要素です。赤ワイン用はボウル部分が大きく、白ワイン用は小ぶりな形状になっています。
初心者の方は、まず一つの万能グラスから始めることをおすすめします。中程度のボウルサイズで、赤白どちらにも使えるタイプが便利です。
グラスの持ち方も重要で、ボウル部分ではなく脚の部分を持つのが基本です。手の温度がワインに伝わるのを防ぎ、適切な温度を保てます。
開栓後の保存方法と飲み切りのタイミング
開栓したワインは空気に触れることで酸化が進み、味わいが変化していきます。一般的には開栓後2~3日以内に飲み切ることをおすすめします。
保存する際は、しっかりとコルクで栓をして冷蔵庫で保管しましょう。ワイン用の保存グッズを使えば、より長く美味しさを保てます。
少し酸化が進んだワインは、料理酒として活用することもできます。煮込み料理やソース作りに使えば、無駄なく消費できるでしょう。
料理と合わせて楽しむワインペアリングの基本

ワインと料理の組み合わせは、両方の美味しさを引き立て合う魔法のような体験です。基本的なルールを覚えて、食事をより豊かに演出しましょう。
赤ワインと相性抜群の料理ジャンル
赤ワインは肉料理との相性が抜群です。牛肉のステーキやローストビーフなど、しっかりとした味わいの肉料理には、フルボディの赤ワインがよく合います。
鶏肉や豚肉を使った料理には、ミディアムボディの赤ワインがおすすめです。軽すぎず重すぎない味わいが、お互いの良さを引き立てます。
チーズ料理との相性も見逃せません。特にハード系チーズとの組み合わせは、赤ワインの持つ複雑さが際立ち、至福のひとときを演出してくれます。
白ワインがぴったりな食事シーン
白ワインは魚介料理の定番パートナーです。新鮮な刺身や寿司には、すっきりとした辛口の白ワインが魚の旨みを引き立てます。
クリーム系のパスタや、チーズを使った料理にも白ワインは良く合います。特にシャルドネのようなコクのある白ワインは、濃厚なクリームソースとの相性が抜群です。
サラダや野菜料理にも白ワインがおすすめです。野菜の持つ自然な甘みと、白ワインの酸味が心地よいハーモニーを奏でます。
初心者でも簡単!失敗しないペアリングのルール
ペアリングの基本は「重さを合わせる」ことです。軽やかな料理には軽いワインを、こってりした料理には重いワインを合わせると失敗が少なくなります。
色を合わせるのも簡単な方法の一つです。トマトソースの赤い料理には赤ワインを、クリームソースの白い料理には白ワインを選ぶと、見た目にも美しい組み合わせになります。
迷った時は、その地方の料理と同じ産地のワインを選ぶのも一つの方法です。長い間その土地で親しまれてきた組み合わせには、必ず理由があるものです。
まとめ

ワインの世界は奥が深く、一朝一夕で極められるものではありません。しかし、基本的な知識を身につけることで、自分なりの楽しみ方を見つけることができます。
赤ワインと白ワインのどちらが飲みやすいかは、個人の味覚や好みによって大きく左右されます。まずは両方を試してみて、自分の舌で判断することが最も大切です。
失敗を恐れずに様々なワインに挑戦し、料理との組み合わせを楽しみながら、少しずつワインの魅力を発見していってください。きっと、あなただけのお気に入りの一本が見つかるはずです。











